リブリーザー神話

 

著者: Peter Sotis (Add Helium)
翻訳: 近藤正義 (沖縄潜水科学技術研究所 ) 

 

 今日、巷に溢れているリブリーザーの情報は、ともすると混乱や欲求不満、あるいは誤解を招く可能性があります。リブリーザーに興味がある消費者は、しばしば業界がいかに閉鎖的であることに驚くことでしょう。
 長年に渡って私たちはリブリーザーを購入したいと思っている多くの人たちと接してきました。通常、私たちはその人たちが訪れる最初の店ではありません。消費者となる人たちがリブリーザーインストラクター、メーカーおよび販売店から多くの間違った情報を得ているということに驚かされます。
 消費者は正確で十分な、そしてバイアスのかかっていない公平な情報をどこから入手できるのでしょうか?
多くの消費者は製造メーカーや地元のダイビングショップ、"地元のエキスパート(専門家)と呼ばれている人"およびオンラインのインターネットフォーラムから情報を得ようとします。これらは消費者たちに一体何を提供しなければならないのでしょうか?

製造メーカー
 製造メーカーは、自社の製品については非常に正確です。しかし、競合他社の製品に関しては、ほとんどの場合、不正確で、公平であるとは言えません。メーカーのWebサイトが、あまりにも不十分であることに驚かされます。消費者は、かろうじて写真や仕様書、または価格表を見つけることができる程度です。

地元のダイビングショップ
 1種類か2種類のリブリーザーの販売を提供する地元のダイビングショップは、ほとんどの場合が正確で十分な情報を持っていません。もしあなたがバイアスのかかっていない公平な情報が欲しい場合、それを見つけるのは困難でしょう。多くの場合、彼らは限られた商品しか提供せず、それらの商品についての知識はあるものの、扱っていない商品に関しては、ほとんど情報を持っていません。リブリーザーの知識が無い人がそれを見極めるのは難しいでしょう。ダイビングショップは、扱っている商品と他社の商品を比べた話をするかもしれませんが、多くの場合、それらは(そのCCRの正規インストラクター)資格を持っていないか、最新の情報では無い場合がほとんどです。つまり、地元のダイビングショップの情報は非常に狭い視野で得られたもので、公平とは言えません。

地元のエキスパート(専門家)
 地元で専門家と呼ばれる人は、圧倒的な熱意をもって情報を提供してくれるでしょう。しかし、彼らの視点は極端に狭く、地元のダイビングショップよりも情報が不足しています。繰り返しになりますが、一般的にある特定の製品へのバイアスに注意するべきです。

オンラインフォーラム
 オンラインフォーラムは実に様々な情報で溢れていて、それが全てを物語っています。


 消費者は、機種を決定する前に常に広い視野を持ち続け、多くの情報源と話をする必要があります。リブリーザーについて何も知らない人は、リブリーザーについて少しでも知っている人を知識ある人だと容易に勘違いしてしまいます…実は、これが一番多い間違いです。あなたは、リブリーザーマーケットのフルタイムの真のエキスパートと取引していることを確認すべきです。ほとんどの場合が、パートタイム=アマチュア(素人)だからです。

それでは、最も一般的な間違いを整理してみましょう。

 

  1.  リブリーザークラスを履修するにはアドバンスドナイトロックス認定を持っていなければなりませんか?
     いいえ。コースの前にリブリーザーを買わせようとしたり、ダブルタンクでのコースを強要したり、オープンサーキットでアドバンスドナイトロックスダイバーコースを受けなければならないと言うダイビングショップは、単にあなたに別のクラスを取らせようとしているだけで、CCRトレーニングの前にそれらを必要とする基準はいかなる指導団体にもありません。
     

  2. 受講前にユニットを購入する必要がありますか?
    評判の良いリブリーザー販売店は、トレーニングのためにレンタル用のリブリーザーユニットを常備しています。レンタルはCCRダイビングの学習に役立つ上、あなたに適しているかどうか判断するのに役立ちます。またユニットをレンタルするのは、あなたが最終的に購入する際に、それにどんな機能がオプションで必要かを判断するのに役立つでしょう。
     

  3.  あるリブリーザーが他のものと比較してより安全ということがありますか?
    いいえ!いずれの主流のリブリーザーも厳格で独立した第三者機関のテストの対象となっています。もしリブリーザーのセールスマンがテストをバスしているいずれかのリブリーザーが、彼が売っているものより安全性が低いと言う場合は、そのセールスマンは正直者ではないか、あるいは知識を持ち合わせていないと考えるべきです。あるリブリーザーが他よりも安全であることを示唆しているデータや情報はありません。もしあなたを説得しようとする者(セールスマン)がいたら、その意見を裏付けるデータを示すように求めてください。彼らのそれは単なる意見であり、データを根拠にしたものではないことがわかるでしょう。それを販売業界では、”リーデング、アンド、バイアス”と呼んでいます。あなたを少し脅かしてセールスマンの販売する唯一のブランドを購入させるための策略です。最も典型的なストーリーは、セールスマンが自分たちのブランドは彼らの知る中で唯一安全なブランドであるとあなたを説得する場面です。それを聞いたときに、あなたはまったく良心を持っていない人と取引しようとしていると認識すべきです。
     

  4. プールのデモは情報に基づいた意思決定を行うのに役立ちますか?
    今までまったくCCRを使ったことがない人の場合、プールでのデモダイビングは、あなたの情報に基づく意思決定には役立つことはないでしょう。販売業者は顧客になるであろうクライアントと繋がりを持つために”プールデモ”を行うことが多いです。それはあなたの意思決定の支援とは何の関係もありません。商品を十分に知り、理解し、ユニットの購入資金を用意して、更に機種の決定をするには、プールデモよりも、よっぽど多くの時間がかかります。通常の認定コースが必要です。
     

  5. 見積もりをはっきり言ってくれません
    リブリーザーの見積りは誰でも約15分でできます。もしあなたが取引しようとしている人が、ユニット、トレーニング、スペアパーツなどの完全な見積りを妥当な時間内に出せなければ、何も知らないと疑ったほうがよいでしょう。また、その人(または販売店)は頻繁にリブリーザーを販売したり、講習をしていないと考えたほうがよいでしょう。繰り返しますが、遅い=アマチュア(素人)です。
     

  6. あなたのインストラクターの訓練経験はどのくらいですか?
    あなたのインストラクターが、毎年どのくらいのCCRコースを教えているかを尋ねて、その証明を見せてもらうとよいでしょう。あなたは、ほんの時々しかこの種のダイビングの経験をしていない人からトレーニングを受けたいと思いますか?
    フルタイムの経験豊富なCCRインストラクターでも、経験の浅いパートタイムのインストラクターでも、かかる費用は同じです。よく考えてください。
    また、割引された講習費用(例えば、ユニットを購入すれば講習費を値引き、或いは無料など)も疑ったほうがよいです。ほとんどの場合、支払っただけのものしか得られないでしょう。リブリーザーのビジネスでは、安かろう、悪かろうです。

     

  7.  あなたのインストラクターが、友達を連れてくるように言いますか?
    その場合は、自分のクラス人数を満たすことができないインストラクターと訓練したいか、よく考えた方がよいでしょう。通常のクラススケジュールを定期的に開講しているスクールを探したほうがよいです。
     

  8. 誰でもリブリーザーダイビングができますか?
    もちろんです!誰もがリブリーザーダイビングを学ぶことができます!多くのインストラクターとセールスマンは、”特定の選ばれた人たちだけがリブリーザーダイビングができる”と言いますが、それは間違いです!リブリーザーダイビングは適切に訓練されていれば、とても簡単です。誰でもできます!
     

  9. リブリーザートレーニングは難しいですか?
    いいえ!リブリーザートレーニングは新しいことへの挑戦ですから複雑です。しかし、トレーニングコースは、難しくなく進行できるように構成されています。有能なベテランのリブリーザーインストラクターからトレーニングを受ければ、学科さえもそれ程難しくありません。
     

  10. ブリーザーで潜れる場所はたくさんありますか?
    多くの旅行会社が世界中の多くの場所にCCRダイバーのためのダイビングツアーを提供しています。世界中にはCCRに好意的なダイビングサイトが多数あります。詳細についてはオンラインフォーラムをチェックしてください。
     

  11. 一緒にダイビングする人はどのように探しますか?
    あなたがCCRダイバーになれば、あなたには新しい世界が広がるでしょう。一般的に思われているよりはるかに多くのダイバーがCCRダイビングを楽しんでいます。フォーラムはダイバーを探すのに絶好の場所です。もちろん、あなたのトレーニングコース、またはCCRトリップでもダイバーたちに会うことができるでしょう。
     

  12. リブリーザーを維持するのは高い費用がかかりますか?
    いいえ。リブリーザーの維持費はそれほど高くありません。主な消耗品は、バッテリーやセンサーです。平均して年間300ドル~500ドルくらいです。
     

  13. 浮力コントロールはOCより難しいですか?
    CCRの浮力コントロールはOCとは異なりますが、けっして難しくはありません。むしろより簡単です。CCRの浮力調整が難しいと感じる人は、インストラクターが適切なウエイト調整とバランス調整を行わなかったためでしょう。それほど簡単です。
     

  14. オープンサーキットのテクニカルトレーニングをスキップして、すぐリブリーザーに進めますか?
    もちろん!私たちの講習生のほとんどはオープンサーキットのテクニカルダイビングのトレーニングは受けていません。あなたがおそらく将来することが無いであろうオープンサーキットのために貴重なお金と時間を費やす必要はありません。昨今のダイバーはすぐにリブリーザー(トレーニング)をしています。
     

  15. OCのバディと潜ることはできますか?
    はい!あなたのユニットについての説明や、緊急時の対処方法などについて相手に説明する必要はありますが、CCRとOCのダイバーが一緒に潜ることができない理由はありません。実際にかなり頻繁にそのようなことは起きています。
     

  16. リブリーザートレーニングを受けてからでも、OCで潜ることはできますか?
    CCRトレーニングでは、CCRをあなたの主要な器材にすることを勧めています。しかし、それは唯一の選択肢にするという意味ではありません。時には、条件によってOCが一番適している場合もあるでしょう。そこには何も間違いはありません。
     

  17. リブリーザーをセットアップするためにどのくらい時間がかかりますか?
    いくつかのリブリーザーは時間がかかりません。通常、最近のデザインのものはより早く組み立てられて、分解もより簡単になっています。幾つかのユニットは組み立てにたった約15分しかかからない一方、60分程かかるものもあります。組み立て時間や分解の容易さはあなたの用途に合わせて選ぶべきです。


Tips
 フルタイムの経験豊富なCCRインストラクターと販売店と共に行動することは、あなたが最善の情報を得ることを確実にします。情報に基づいた意思決定がすべてです。あなたの情報源が、あなたの支払いに値するかをよく確かめてください。

 他の商品に対する不公平さと限られた知識はよくある困った問題です。一日の終わりに販売店(またはインストラクター)との会話を思い返して、”リーディング”と呼ばれるようなバイアスがなかったか確認してください。偏った情報や感情的な策略、そして無駄な世間話は素人の特徴です。あなたは素人とビジネスをしたいですか?

 最も重要なのは、素人ほど他の製品や他のインストラクターを話題にして自分がいかに優れているかを誇示したがります。あなたへの最善のアドバイスは、こういったタイプの販売店(またはインストラクター)は避けたほうが賢明ということです。専門家を探してください。専門家はたくさんいます。    

 

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